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2015-12-01

編集=何かしらの経験を提案すること。


わたしの編集論、なのですが、
編集をするって、何かしらの経験を提案することだと思っています。

こんなおいしいお店がありますよ~と伝えれば、
もしかして、誰かがそこに行って、
新しい思い出を作るかもしれない。
ここに行ってみたいね、と誰かと話しをするかもしれない。

そういった何かしらの経験を提案していると思っています。
誰かにとっての、よい提案であればいいなと思いながら、
編集をしています。文字を書いているときも、
そういった気持ちです。

編み物や料理や、実用関係であれば、
なおのこと、提案になりますよね。

編み物って初心者でもできて楽しいですよ、とか
編み物のある暮らしはどうですか、とか。
こんなレシピで作るのはどうですか? とか。
食事療法を紹介すれば、生活スタイルが変わる人も、
身体そのものが変わる人だっています。

以前、『足ほぐし手ほぐしセラピー』という本を編集しました。
リフレクソロジーの考え方をベースにして、
もっと簡単にセルフケアをできるようにした本です。

著者の手島渚さんが考えた新しいメソッド。
足ほぐし手ほぐしセラピー(光村推古書院刊)

ファイル 2015-12-01 19 38 52

 

今年の春先、この本の発売を記念して、イベントがありました。
東京・蔵前にある中川ちえさんのお店『in-kyo』にて。

ファイル 2015-12-01 19 39 26

30名くらいの人がいらしてくださって、
足ほぐし手ほぐしの基本について話をきいたり、
お隣の人どうしで、手をほぐし合ったりしました。

実際にやってみると、皮膚がふわっと柔らかくなるのが分かるんですよね。
その体験に、感激してしまう人、多数。
もちろん、わたしもその一人として参加していました。

イベントが終わったあと、わたしと手島さんとでお話をしつつ、
参加者さんを見送っていると・・・。

一人の女性が、
このメソッドを使って病気のお母さんにマッサージをしたところ、
お母さんの表情がやわらかくなった、
やってあげてよかったと思ったんです、
と涙ながらに話してくださいました。

きっと、病気のお母さんを看ることへの、いろいろな思いがあっての、
涙だったのかなと思うのですが。

『この本を作ってくださってありがとうございます!』
と帰り際に言われた時には、こちらが泣きそうでした。
というか、泣きましたけれども。

この話以外にも、いろいろな方からお話を聞くことができました。
ほんとうにいろいろ。

もちろん、メソッドを考えたのは手島さんで、
それを編集したのがわたし、なので、
手島さんあってのことなのですが。

本を編集中は孤独な作業で、もくもくと原稿を書いたり、
原稿を読んだり、デザインをチェックしたり・・・
えんえんと地味ーーーな作業をしているのです。
産みの苦しみ、見たいのを味わうことも。

めちゃくちゃ時間がかかる割に、
全然お金にならないじゃんってこともしばしば(笑)

でも、こんなふうなひと言をもらえると、
作る過程の苦しみなど吹き飛んでしまいます。

そんなのキレイごとじゃないのと言われようとなんだろうと、
本を作ることで、何かしらの経験を提案することで、
喜んでくれる人が必ずいるとわたしは信じていて、
これからも、その気持ちは変わりそうにありません。

紙でなくなったり、webになったり、イベントなどの場所になったり、
編集するモノは変わっても、思いは同じ。

***

っと、最後に宣伝を入れますが、
来週の日曜日、12月6日はイベントを行います@名古屋。
まだチェックされていない方は、ぜひ見てやってくださいね。

編み物のイベントです。
12月6日eccominワークショップ@名古屋PARCO

***

きっと、今回も来てくださった人と、
なにかしらの思い出が残るのだよな~と思うと楽しみです。


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